迎賓館赤坂離宮見学 

旅行

見学コース、申込方法、受付、休憩室、コインロッカーなども紹介します

世界の賓客をもてなす迎賓館赤坂離宮。国宝の名にふさわしい世界に誇る明治の西洋宮殿です。2022年9月コロナ渦も落ち着き旅行が再開されはじめたので、久しぶりに東京観光に行きました。一度は見学したかった迎賓館赤坂離宮。HPから見学コースを予約しました。豪華さ、伝統工芸、細やかな技法、すべてが期待を超えるすばらしい体験でした。日本人なら一度は訪問すべき建造物です。さらに予約するに当たり、所要時間は?荷物は預けられる?履き物は?などいろいろ疑問がわいてきました。予約方法や見学コース、実際の経験談などを紹介します。

はじめに

迎賓館の紹介、見学方法や公開日程等は下記のサイトから確認できます。大変丁寧でわかりやすいサイトです。

迎賓館赤坂離宮 https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/
所在地:東京都港区元赤坂2-1-1 
・トップ
・迎賓館赤坂離宮のご紹介
・参観ご希望の方へ 参観概要・参観料金・公開日程・バリアフリー情報・迎賓館赤坂離宮前休憩所
・接遇 接遇・御署名簿
・施設の特別なご利用
・アクセス
 公開日程が○になっていても国公賓の来館や迎賓館の都合などで非公開となることもあるとのことで、日程の確認が必要です。
 私は初めてなので和風別館のガイドツアー1時間を申し込みました。予約が確定すると予約時間の30分前に受付に来るよう案内されます。和風別館のガイドツアーの中で主庭についての見どころもご案内があり、本館は玄関ホール、2階の4広間(羽衣の間、朝日の間、彩鸞の間、花鳥の間)ともボランティアガイドさんが、質問すると大変丁寧に説明してくださり、いっそう広く、深く迎賓館について理解することができ興味がわきます。
 見学所要時間について、受付30分、和風別館ガイドツアー1時間、本館・主庭の自由見学、事務棟内の売店で約1時間の合計約2.5時間程度でした。私は今回時間が無く残念ながら寄れませんでしたが、前庭にはアフタヌーンティなどがいただけるカフェや、迎賓館赤坂離宮前休憩所もありました。優雅な気分に浸るにはもっと時間が必要でしょう。

参観コース

基本的に本館・主庭・和風別館(ガイドツアー)の組み合わせの選択です。
アフタヌーンティーがいただける前庭にも入場料300円が必要です。

(1)本館・庭園(主庭及び前庭)申し込み不要 10:00~17:00(本館最終受付16:00)
  参観料金: 一般:1,500円、大学生:1,000円、中高生:500円、小学生以下:無料

(2)和風別館・本館・庭園 事前予約
  参観開始時間: 10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00
※土日祝の15:00時の回は英語ガイドツアー
参観料金: 一般:2,000円、大学生:1,500円、中高生:700円

(3)和風別館・庭園 事前予約 (本館参観は当日参観料支払時に選択可)
参観開始時間:10:30 11:00 11:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00
※土日祝の15:00の回は英語ガイドツアー
参観料金: 一般:1,500円、大学生:1,000円、中高生:500円

(4)庭園 申込み不要
公開時間: 公開時間:10:00~17:00(最終受付16:30)
参観料金: 一般:300円、大学生以下無料

(5) エラールピアノ演奏会  事前予約 開催日程はHPに記載 時間:17:00~17:30
(1)~(4)見学+17:00~17:30演奏会
参観料金+1000円

(6)天井絵画作品解説会~天井を彩る華やかな油彩画~を開催
事前予約 開催日程はHPに記載 時間17:00~18:00
(1)~(4)見学+17:00~17:30演奏会
参観料金+1000円

(7)前庭プレミアムガイドツアー
   事前予約 開催日程はHPに記載 時間11:30~12:30
前庭プレミアムガイドツアー+(1)~(4)見学
参観料金+1000円
(8)その他 開催日程、料金等はHPに記載

申し込み方法

(1)参観ご希望の方へ
 迎賓館赤坂離宮HP→「参観ご希望の方へ」をクリックすると、下に「参観概要」「参観公開」「公開日程」「バリアフリー情報」「迎賓館赤坂離宮前休憩所」が表示されます。
「参観概要」「参観公開」「公開日程」をクリックすると、それぞれの説明の下に「参観の申し込みをする」をクリックする。日程は翌月のものまで表示されます。

(2)参観コース選択画面
希望のコースを選択する

(3)希望日時を選ぶ

(4)個人情報を入力する
   代表者氏名、カナ、生年月日、参観人数、代表者住所、電話番号、メール

(5)申込確認→申込完了

(6)参加証送付
   登録したメールに「迎賓館赤坂離宮一般公開○○参観 参加証の送付」が届きます。
  ■参加費は当日現地支払いです。HPに料金支払いの画面はありません。

(2)参観コース選択
(3)希望日の選択
(3)希望時刻の選択

迎賓館赤坂離宮一般公開参観 参加証

 申込み受付が完了すると、登録したメールに「迎賓館赤坂離宮一般公開○○参観参加証の送付」文書が届きます。大変詳細な案内です。いくつかの注意点を抜粋します。

1.参観日時
・外交日程や天候状況等により、参観内容を変更・中止する場合がありますので、お出かけ前に必ず公開状況を迎賓館ホームページよりご確認ください。
・ご都合により、申込内容を変更・キャンセルされる場合は、速やかにお手続をお願いします。参観日の前日正午まではWeb上で、前日正午以降はお電話でお手続ください。なお、参観日時を変更する場合は、一度ご予約をキャンセルし、新たにご予約を取り直してください。
・Web受付(前日正午まで):https://form.geihinkan.go.jp/entry/p08?lang=ja
・電話受付(前日正午以降):03-5728-7788
※本メールは配信専用アドレスで送信しております。返信はできません
参観時間の30分前までに西門から入場し、受付を済ませてください。手荷物検査や集合場所への移動等に時間を要しますので、30分前入場にご協力をお願いします。
・集合時刻に遅れた場合には、和風別館を参観いただくことができなくなる可能性があります。遅れそうな場合には、お手数ですがお電話(03-5728-7788)ください
・一度入場した後に退場した場合、再入場はできません

2.参観者
・同行者がいる場合は全員揃ってからご入場ください
3.受付番号
4.参観日当日に持参
 ・参観証
 ・参観料金

5.所要時間
 [1](1) 和風別館   概ね1時間
    (2) 本館・主庭・前庭  概ね1時間(庭園のみ参観される場合は概ね30分)

6.注意事項
・施設の構造上、車椅子での入館はできません。杖の持ち込みは可能ですが、歩行器・歩行車等の持ち込みはできません
・警備上の理由により、手荷物検査及び身体検査を実施します
・(本館の参観も希望される方へ)本館の混雑状況によっては入場制限により本館の参観をお待ちいただくことがあります。
・ベビーカーや大型の手荷物等は、受付にお預けください
・駐車場及び駐輪場はありませんので、公共交通機関をご利用ください
・周辺道路への車・二輪車・バス等の駐停車は固くお断りします。
・敷地内は石畳・砂利敷きとなっているため、歩きやすい履物でご来場ください。
・和風別館内は、スリッパに履き替えていただきます。

7.写真撮影の制限
 (1) 本館内及び和風別館内は撮影禁止です。
 (2) 館外は撮影が可能ですが、以下については禁止です。
  a 業務用大型カメラ、一脚・三脚・脚立等の機材の持ち込み・使用。
  b 業としての写真・映画等の撮影。
  c 自己撮影用器具(自撮棒又は自撮棒に類似する器具)等の撮影補助機材の使用。

8.禁止事項
・危険物持ち込み、公序良俗、服装(迎賓館の品格・雰囲気を著しく損なうおそれのある服装又は他の参観者が不快と思われるおそれのある服装、ウェディングドレス、白無垢、色打掛、警備員等の制服又はそれを模したもの、着ぐるみ)、動物(身体障害者補助犬を除く)、行為(許可なしの特別な写真撮影、物品を毀損・汚損、等

9.問い合わせ先
   テレフォンサービス:03(5728)7788 ※平日午前9時から午後5時まで
   (自動音声案内は24時間、参観期間中のみ土日祝日を含む毎日)
10. アクセス
 https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/access/

■この案内が届きはじめて30分前の集合ということがわかり、一度予約を取り直しました。予約の変更はHPから予約番号を入力して一旦キャンセルし、再度予約を取り直しました。
懸案の所用時間、服装、履き物についても説明がありました。アクセスについては地図へのリンクもあり、大変詳細で親切な内容です。

アクセス

参観入り口は迎賓館西門です。
・JR中央線・総武線「四ツ谷」駅下車、赤坂口より徒歩約7分
・東京メトロ丸ノ内線「四ツ谷」駅下車、1番出口より徒歩約7分
・東京メトロ南北線「四ツ谷」駅下車、2番出口より徒歩約7分

西門参観入口に到着すると、西門に立たれている警備者が受付への行き方を教えてくれました。

迎賓館アクセスマップ
西門入り口

受付

(1)受付
 受付は参観予約時間の30分前です。11:30の予約でしたので、11:00前に受付に着きました。
 HPから予約済みですが、受付で改めて選択コースを含め申し込み書の記入が必要でした。和室別館見学(事前予約15名まで)も予約無しで来て、空きがあれば当日受付で申し込めるようです。
ウィークデイでしたので10人程度が前に並んでいました。
受付担当者は多く、説明は丁寧で、案内マップや和室別館のパンフレット、申し込み内容の名札をもらい首からかけます。
(2)荷物チェック  手荷物をXP装置に通します。
和風別館参観者は、予約時間の5分前に噴水横の「和風別館集合テント」に行くよう指示され、地図で集合場所を示してくれました。
(3)支払い 自動販売機または有人の窓口で、現金またはクレジットカードで支払い、見学券を受け取とります。見学券はそれぞれの見学場所で提示し、チェックされます。
(4)第2事務棟 
 トイレ、コインロッカー、DVD視聴室
コインロッカーは無料で、各種サイズあり、機内預け可能なスーツケース程度なら収納可能なようです。無料の傘の貸し出しもありました。
 DVD視聴室は日本語、英語の2部屋あり、椅子が置かれゆったりした雰囲気で、迎賓館紹介映像がずっと放映されていました。飲食は禁止です。

第2事務棟2階コインロッカー
第2事務棟から和風別館への道
迎賓館赤坂離宮案内マップ

和風別館「游心亭」

11:30和風別館見学開始、5分前までに和風別館前集合テントに行くように指示がありました。
受付からは順路表示があり、至る所に係員が立っていて案内されます。本館の前の主庭、噴水を周り、写真を撮って集合テントに行きました。ガイドツアーの所要時間は1時間です。

本館前の主庭、
噴水の向こうに和風別館見学の受付がある
和風別館見学集合テント

(1)受付
受付には警備、ガイドの2人がいて、見学券「和風別館」欄がチェックされます。見学者は予約キャンセル分、当日申込分をあわせ11名でした。あいにく小雨が降りはじめました。

(2)本館外観・噴水説明
 簡単に迎賓館の歴史について紹介があり、外観とくに天皇家の象徴である菊紋と副紋の「五七の桐」について説明がありました。「五七の桐」は日本政府や豊臣秀吉の紋章として有名ですが、元々天皇家の紋であったことを知りました。
 噴水も国宝で中心の噴水塔にはシャチ、噴水塔を囲む縁石には4体のグリフォン(鷲の上半身と下半身はライオンで翼を持つギリシャ神話の伝説の生物)と亀が配置されていまいた。

見学券 入館時に入館場所にチェックが入る
国宝 噴水塔のシャチとグリフォン

(3)和風庭園
 「游心亭」までの和風庭園と外観までは写真撮影は許可されています。庭は大変美しく8人の庭師が整備しているとのこと。途中1975年5月来日されたエリザベス女王が植樹されたイングリッシュ・オークや、主庭のゴルバチョフ元大統領の冬菩提樹、アメリカのフォード元大統領が植樹された花水木も説明されました。
 まだ玄関の横には樹齢最長140年に及ぶ立派な黒松や五葉松の盆栽が何鉢も置かれており、催事ごとに迎賓館の各所に飾られるとのことでした。
 「游心亭」の前庭には背後のホテル・ニューオータニを隠す高い木々や、紅白梅が植えられ、春先に梅が満開の時は一服の屏風のように美しいとのことでした。

和風別館「游心亭右側に玄関がある

迎賓館を彩る貴重な盆栽

(4)見学者玄関
 いよいよ建物内の見学です。写真撮影は禁止、また装飾品はもちろん壁にも触れない、跡がつくと壁全体を塗り直さなければならないとのこと。床材も貴重で高価な材料が使用されており、歩くときは敷かれた絨毯からはみ出さないよう厳重な注意がありました。
 靴を脱いで上がるとき、履き物の向きを変えずそのまま上がるように言われます。少し賓客気分を味わえるよう、係りの方が靴の向きを変えてくださるそうです。
 見学者用玄関や来賓の控えの間にも立派な国宝級の装飾品、季節の陶磁器が飾られ、ここは特別な世界なのだと感激します。

(5)坪庭
 見学用の玄関から上がり、右手には坪庭があります。白川砂が敷き詰められた向こうには孟宗竹が植栽され、春には筍が生えるそうですが、それは採らず竹に成長し、古くなった竹は伐採し結界などに使用されるとのことでした。当初は白川砂だけでしたが、中曽根康弘元首相の一言で3個の立派な貴船石が配置され、石庭として風情を醸し出しています。白川砂の粒が大きく、石庭に渦を描くことはできないとのことでした。

(6)主和室
 主和室は47帖の畳敷きの大広間で、テーブルの下は掘り炬燵式になっています。テーブルを収納して全室畳敷きにして、日本舞踊や生花の鑑賞などもできるとのことでした。主和室の廊下の前に池があり、賓客はここから鯉に餌やりをします。池には当初鯉はいなく、水面が天井に映る水の「ゆらぎ」を愛でていましたが、田中角栄元総理の一言で鯉が飼われることとなり、鯉の餌やりというアトラクションが加わったとのことです。来賓が来られる前には鯉の餌を減量し、来賓が餌をやると多くの鯉が一斉に集まるようにするなど、おもてなしのご苦労話なども伺いました。

主和室前の鯉の池

(7)茶室
 立礼席と4帖半畳席があり、釜や水指が配置され、備前焼の伊勢崎満さんなど、有名な作家の茶盌の写真が飾られていました。しかしこのお茶室は創設以来33回しかお茶席として使用されていないとのこと、もったいないお話です。

(8)即席料理室
 カウンターで天ぷらやお寿司でおもてなしする、大変距離感の近い接客室です。カウンターコーナーでは窓の景色がよく見えるように賓客が座られるとのこと、まるで居酒屋のような親しい歓談室で、カウンターの中の料理人が賓客より高い目線にならないように設計されているとのことでした。

和風別館「游心亭」主和室と茶室 冊子:国宝迎賓館赤坂離宮より

 1時間のガイドツアーで大変詳細に丁寧に説明していただきました。来賓客のエピソードなど織り込みながら、大変興味深く見学することができました。担当された女性のガイドさんは本当にお上手で、いろいろ質問しても快くきちんと回答してくれ、迎賓館のことがお好きで誇りを持ってガイドをされていると好感を持ちました。期待以上、料金以上の有意義な時間を過ごすことができました。
 ガイドさんから説明を受けた噴水や本館の外壁、ゴルバチョフ元大統領やフォード元大統領の植樹された木を見ながら本館に向かいました。

ゴルバチョフ大統領植樹された冬菩提樹
フォード大統領が植樹された花水木

本館

 和風別館以外は各自での見学となります。
 本館入り口で見学券を提示し☑がつけられ、立派な「国宝迎賓館赤坂離宮」の冊子をいただきます。
入り口から入り、正面玄関エントランス、2階に上がり[彩鸞の間][花鳥の間][朝日の間][羽衣の間]を見学します。至る所に案内の人が立ち、それぞれの広間にはボランティアガイドがいて、質問するといろいろ教えてくださいます。

本館見学入り口
第一事務棟にある迎賓館の模型

(1)正面玄関
見学者は横の入り口からこの正面玄関に入ります。真紅の絨毯が敷かれ、二階へと続きます。黒と白の市松模様の床が目を引きます。イタリア産の白い大理石ビアンコカララと宮城県産の黒い玄昌石が使用されており、大変斬新です。階段の上には金箔がふんだんに使用されている豪華な壁や天井が見えました。

(2)朝日の間
要人の表敬訪問や首脳会議が行われ、国賓が天皇皇后両陛下とお別れのご挨拶をされる最も格式の高い広間です。一階から階段を上がった正面に位置しており、主庭に面しています。中に入ると大変豪華で厳かな雰囲気です。天井画の暁の女神オーロラは黒髪で月桂樹の枝と4頭立ての白馬の手綱を握り、ピンクの衣をなびかせて朝を運んできます。なんとも和風で神々しい女神様です。カーテンは京都西陣の金華山織、16本のピンク大理石はノルウェー産、桜花をモチーフにした紫の緞通は47色の糸が使用されており、10年ごとに作り直されるとのことでした。クリスタルガラスのシャンデリアはフランスから輸入されたもので、壁には五七の桐の紋章が装飾されていました。壁面の絵画は陸軍を象徴する日本の兜や鎧、海軍を象徴する月桂樹の掛けられた船首や櫂、錨などが描かれ、洋風と和風が見事に調和されていました。

正面玄関・大ホール 冊子:国宝迎賓館赤坂離宮より
朝日の間 冊子:国宝迎賓館赤坂離宮より

(3)花鳥の間
玄関から上がり、朝日の間の左手に晩餐会で使用される花鳥の間があります。木曽産のシオジ材が張り巡らされ、壁には30枚の式の草花と鳥が描かれた七宝焼が飾られ、天井画も青空を背景とした鳥や花々、ジビエなども見られました。七宝焼は明治大正期を代表する日本画家渡辺省亭の下絵を、七宝作家濤川惣助が焼成した、大変精密で美しい芸術品です。シャンデリアは1基1,125kgで球形のスピーカーが組み込まれ迎賓館で最も重いシャンデリアとのことでした。他の煌びやかな部屋に比べて板張りの壁が重厚で落ち着いた雰囲気を醸し出していました。

(4)彩鸞の間
彩鸞の間は正面玄関の真上、エントランスに面しており、朝日の間の向かい側です。名前は国が平和で栄えているときに現れるといわれる古代中国の想像上の鳥である「鸞」にちなみます。10枚の大鏡が部屋を広く奥深く見せています。白い壁に金のレリーフがふんだんに施され、それぞれのマントルピースの上に「鸞」のレリーフ、日本の鎧・兜・日本刀などの装飾が洋風の部屋に見事に調和しています。総理大臣による外国首脳との会談や条約調印などに使用されるとのことです。

花鳥の間
彩鸞の間
羽衣の間

冊子:国宝迎賓館赤坂離宮より

(5)羽衣の間
羽衣の間は迎賓館の西側に位置し、かっては舞踏室と呼ばれ、オーケストラボックスを備え、壁には和洋の楽器のレリーフで彩られています。天井画は青空で、美しい音楽と共に羽衣を纏った天女が現れるような「虚空に花ふり音楽聞こえ、麗香四方に薫ず」という謡曲「羽衣」にちなんでいます。3基のシャンデリアは迎賓館で最大の物で、クリスタルガラスを主体に7000個のパーツでできているとのことで、大変豪華です。
オーケストラボックスの下には「エラールピアノ」が置かれていました。これは日本に数台しかないエラール社のフルコンサートモデルの豪華なグランドピアノで、菊の御紋も描かれています。戦後皇居に置かれていましたが、昭和49年(1974年)迎賓館が国の迎賓施設である迎賓館赤坂離宮となった際に、皇居から移管されたとのことです。不定期にエラールピアノのコンサートが開催されており、各見学料金+1000円、見学終了後の17:00~17:30に行われ、迎賓館HPから申し込むことができます。

第一事務棟 売店、休憩室

本館の西側から渡り廊下を進むと第一事務棟があります。トイレ、救護室、休憩室、飲み物の自動販売機、さらに前庭に売店が出店していないときは休憩室内に売店が開かれます。あまり広くはないスペースですが数々の赤坂迎賓館のグッズが販売されていました。朝日の間の天井画のマグネット700円とクリアファイルミニ350円を購入しました。スタッフの男性はとても丁寧でした。支払は現金またはクレジットカードのタッチ決済でした。
休憩室は広く椅子とテーブルが置かれ、飲み物の自動販売機もありました。しかしお弁当などは禁止されていました。
廊下には赤坂迎賓館の模型が置かれており、全体像をみることができます。見学できるのはわずか一部でしたので、本当に大きな建物だと実感します。
本館の西側、前庭への出口には係員が立っていて、ここで見学コースは終わりで、前庭へ出ると本館、主庭などの見学コースに戻ることはできません。

クリアファイルミニ350円朝日の間の天井画のマグネット700円

前庭

広い前庭からは迎賓館本館の外観全体を見ることができます。左右対称の壮大な建物で、中央には阿吽の青銅製の甲冑が置かれ、少し離れた左右には四羽霊鳥「鸞」が金の星が散りばめられた地球儀を囲んでいました。
前庭にはキッチンカーがあり、椅子とテーブル、パラソルが置かれアフタヌーンティーがサービスされていました。1セット2人用5,600円、お茶はポットでいくつかの種類から選べますが、お替わりは有料で、迎賓館のHPから予約できるようです。当日は小雨交じりの風の強い日で、優雅なアフタムーンティーはいただけそうもないようでした。アフタヌーンティだけをいただく場合も庭園入場料300円(大人)が必要です。
豪華で堅剛な中門を出ると、正門までの通路の左右には広い芝生があり黒松が点在しています。
正門を出ると右手には迎賓館赤坂離宮前休憩所があり、売店やカフェテリア等があるとのことですが、ここまでで約2時間、この休憩所に立ち寄る時間は無く、四ッ谷駅へ向かいました。

建物の上には阿吽の青銅製の甲冑
四羽霊鳥「鸞」と金の星が散りばめられた地球儀     

まとめ

 西門入口から入り、30分前の受付と荷物検査、和風別館のガイドツア-1時間、本館の自由見学、正面玄関を見て、正門出口からの退出、ゆっくり見学して約2時間でした。第1事務棟には売店やドリンク自動販売機のある休憩室(食事は不可)、第2事務棟には無料のコインロッカー、傘、トイレ、DVD視聴室もあり、各所に案内の方が立たれ、とてもスムーズに見学することができました。
 またピアノの演奏会、天井画の説明会など見学料+1000円で、様々なイベントが催行され、国民に開かれた迎賓館、内閣府の取り組みだと思いました。前庭前にはカフェがあり、テントを立てて椅子やテーブルが置かれアフタヌーンティを楽しむ人もいました。前庭には今回は時間の関係で迎賓館赤坂離宮前休憩所には行けませんでしたが、充分堪能できた2時間でした。
 迎賓館は日本が世界に誇る至宝です。一度は訪れてみるべき所だと思いました。皆さんに自信をもっておすすめいたします。

冊子:国宝迎賓館赤坂離宮
パンフレット:迎賓館赤坂離宮
パンフレット:迎賓館和風別館「游心亭」

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